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かんだやぶそば(神田藪蕎麦)
KANDA YABUSOBA

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※内容や価格は変更になる場合があります。参考としてご覧ください。

2025.7.25

明治13年(1880年)創業の老舗蕎麦処。
蕎麦処の店名としてお馴染みの「藪蕎麦」。この総本家であり「美味しい蕎麦を気持ち良く」を目標に営業するのれん集団である薮睦会(やぶむつみかい)を結成した由緒あるお店です。

この「藪蕎麦」という名前の由来は幕末の頃、竹藪が多かった本郷団子坂にあるお店を初代・堀田七兵衛が譲り受けて「藪蕎麦」の屋号で営業を開始したところから始まります。
また、蕎麦の伝統を伝える木鉢会にも所属。

 

蕎麦の高級店。立派な日本家屋

外観

コンクリートのビルが立ち並ぶ千代田区神田淡路町。ビル群の中に木々で囲まれた緑豊かな一角があり、その中に立派な日本家屋が建てられています。そこがかんだやぶそば。

 

アプローチ

入口に続くアプローチを歩くと左手には綺麗な庭園エリアがあり、灯籠や蹲踞(つくばい)が置かれています。

 

庭園エリア

庭園エリア。まるで時代劇のセットのよう。

 

堀田七兵衛の胸像

右手には初代・堀田七兵衛の胸像。名店に胸像あり。

 

店内

店内にはテーブル席がずらり。来店人数に応じて4人席、6人席などにして客を素早く迎えてくれます。
また庭園エリアを望む畳の小上がり席、2Fには個室もあります。

有名店ということで、海外からの観光客の姿も目立ちます。

 

風味豊かな蕎麦

せいろうそば

せいろうそば1210円。
公式サイトには、かんだやぶそばの蕎麦は蕎麦粉10、小麦粉1の割合で作っていると記載があります。風味豊かでサクッと歯切れが良い仕上がり。
蕎麦が長いので、勢いよく一気にズズッと食べても気持ちいい。
つゆは昆布、鰹出汁を使用していて濃厚なので、蕎麦の半分くらいに付けるのがオススメの食べ方。

 

玉子とじそば

玉子とじそば1650円。
ふわふわの溶き玉子の上に三角形の海苔、その上にかまぼこ。シンプルで綺麗な盛り付け。

 

冷やし茄子そば

夏メニューの冷やし茄子そば2200円。
出汁をたっぷり吸った大きな茄子がジュワッと美味しい。茗荷の香りも爽やかな1品です。

 

蕎麦前の1品料理は贅沢な価格帯

そばずし

そばずし1430円。
卵焼き、椎茸、干瓢を蕎麦と海苔で巻いたもの。お寿司の干瓢巻きをお米の代わりに蕎麦で作ったイメージの味わい。
フワッと軽い食感も楽しい。

 

あいやき

合鴨を焼いたあいやき1980円。
鴨の脂の香りがネギにもしっかり付いてます。

 

旬菜3種盛り

旬菜3種盛り1540円。
枝豆、じゅんさい、アワビ。

 

生そばまんじゅう

生そばまんじゅう880円。
とてもシンプルだけど、器の風合いと相まってとても綺麗。

 

生そばまんじゅうのあんこ

中身はあんこがたっぷり入っています。

1品料理はどれもボリューム控えめで、お値段も一般の蕎麦処と比較するとかなり高めです。

 

歴史を感じる「通し言葉」次世代へ

蕎麦を食べていると店内の奥の方から百人一首を読み上げるような女性の声が聞こえてきました。
さらに耳を立てると

「せいろぉ〜、いちまぁ〜い〜」
「せいろにぃ〜、かもせいろぉ〜〜」

など、メニューを読み上げていることが分かります。
声の出どころはレジ付近に立っている和服の女将です。

スタッフに聞いてみると、これは「通し言葉」といって、注文の入ったメニューを厨房に伝えているとのこと。
通し言葉を聞いたスタッフは、さっとお膳を整える。こうすることで蕎麦を作る職人は、何の注文が入っているか確認することができるそうです。

会計時に女将の手元を見てみたら、注文の入っている料理名が何行も書かれていました。
濃い鉛筆で流れるように書かれている筆跡が印象的。

2023年に訪問した際にはご高齢の女将さんが「通し言葉」を担当していましたが引退し、2025年に訪問した際には次世代の女将さんに変わっていました。

 

入口にある「やぶのれんめん」

店内に続く扉付近には3枚の絵が飾られています。
これらの絵の説明も併せて掲載されていて、下記の内容が書かれています。
以下、全文引用です。

 

「やぶのれんめん」
かんだ藪蕎麦は初代堀田七兵衛から数えて5代目で100年を超える老舗です。
しかし初代七兵衛が「藪蕎麦」の屋号を譲り受けた「駒込団子坂藪蕎麦」(蔦屋)の創業は天保4年(1833年)といいますから更に50年以上遡った将軍徳川家斉の時代になります。
ここに掛けられた3枚の絵はその「かんだやぶそば」が代々、味と心を伝え続けてきた店の歴史絵図です。絵には江戸から現在、そして次の時代へ長く繋いでいく店の姿をとらえて「やぶのれんめん」と名付けました。れんめんとは「連綿」であり、連雀町の「連」と「麺」でもあります。この中には大切な「のれん」が入っています。

 

左の絵(上の絵)は、江戸・明治の「駒込団子坂藪蕎麦」の姿で現在の千駄木団子坂上にあった店です。元禄の古図を見るとそこには根津権現の旧地があった辺りで、明治になると広い敷地に客室の母家や離れ、土蔵、仕事場などはゆったり配置され、滝まであった瀟洒(しょうしゃ)な庭と竹やぶに囲まれていたといいます。

 

中央の絵(上の絵)は、大正・昭和の面影をよく残した店で、神田といえば「やぶそば」といわれるほど地域に根付き、人々に慕われた「神田連雀町藪蕎麦」です。この界隈は多くの老舗が戦災で残り都内でも貴重な景観を保っています。個の力だけでなく地域としても祭りや行事などでは連携して「生きた神田」を見せてくれます。

 

右側の絵(上の絵)は、大正・昭和の店のコンセプトを引き継ぎながらも、更にそれを洗練させ、安心、安全を大切にした次代を担う現在の店です。敷地の周囲を季節で彩る草木で優しく包み込んだその姿は都心で唯一の「そばを五感で楽しむ」究極の店です。

絵 木下栄三

 

混雑状況をサイトでチェック

ランチタイムを外した15時前後であれば並ばずに入店できることもありますが、満席のこともしばしば。
お店の混雑状況を把握したい場合は、下記の公式サイトをチェックしましょう。
現在何組待っているかリアルタイムで表示されています。

かんだやぶそば(神田藪蕎麦)公式サイト →

 

関連ページ
木鉢会の蕎麦(そば)処 >

 

ざっくばらんな感想・クチコミ

訪問日:2025/7/20

kjの顔写真

kj
・料理/盛り付け/器 ★★★★★
さすが藪蕎麦の総本家。盛り付けまで洗練された美しさ。
カツ丼などの食事メニューはないので、1品料理でゆっくりお酒を楽しんで、最後に蕎麦でシメる。これが好きな人にピッタリ。

・接客/雰囲気 ★★★★★
蕎麦処として確固たる地位を築いているお店ですが、接客はとても丁寧で腰が低い感じが素晴らしい。
外観、内観、隅から隅まで洗練された印象。厨房に注文を伝える際に「せいろぉ〜いちまぁ〜い〜」といったように、百人一首を詠むような「通し言葉」を使っているところを聞いたときには感動しました。なんて綺麗なんだと。
次の世代の女将さんに「通し言葉」が受け継がれていることを知って、なぜだか僕がホッとしている。ぜひ今後も続けて欲しい。

ADDRESS
東京都千代田区神田淡路町2-10
3-14 Kandanishikicho, Chiyoda Ward, Tokyo

TEL (11:30-20:00)
03-3251-0287
+81-3-3251-0287

REGULAR HOLIDAY
水曜日
WEDNESDAY

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発信者:高橋賢司
Webディレクター/吉祥寺 Kichijoji GO!運営
吉祥寺在住。吉祥寺の飲食店情報を中心に発信。ときどき西荻、三鷹、中央線、全国の美味い店

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