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※内容や価格は変更になる場合があります。参考としてご覧ください。
奥秩父 柴原の湯 かやの家
KAYANOYA
2025.8.12
日本秘湯を守る会会員の温泉宿。公式サイトによると約400年の歴史があるとのこと。
400年前というと1625年。江戸時代初期まで遡ることになります。

最寄駅は埼玉県秩父市にある秩父鉄道・武州日野駅。ここから車で約10分。
かやの家にあらかじめ送迎をお願いしておくと、電車の到着時間に車で迎えに来てくれます。

武州日野駅に着いたら、わざわざ車から降りて待っていてくれたスタッフさん。すぐに車に乗り込んで、かやの家へ続く山道を走ります。途中、右手にある森の中には野生の鹿がいました。

かやの家に到着。チェックインは14時30分から。
周囲を山に囲まれた日本家屋が立派。綺麗に保存されています。
8月初旬に訪問したので、セミやひぐらしの鳴き声が大きく響いていました。

日本秘湯を守る会の提灯が吊られています。

夜の外観。提灯が灯って幻想的。

扉を開けると開放感のあるロビーエリア。榧(かや)の木の温もりが素晴らしい。

2Fに続く木製の階段も立派です。
部屋に置いてある館内図には、11の部屋が記載されています。

廊下。木材に囲まれた空間が気持ちいい。

宿泊したのは1Fの部屋かりん。2名用。
布団が小上がりの畳エリアに敷かれていて、手すりも設置されています。
ここは高齢の方でも利用しやすい部屋で、「かりん」の他にもう1部屋「さくら」も同じような作りの部屋。

窓の外は自然豊かなマウンテンビュー、というか山の中。

小さなシンクもあり。

冷蔵庫の中には有料のビール、日本酒が入っていました。

トイレ。とても綺麗で清潔です。ここにも足の悪い方のために手すりがついていました。
森の中にある小さな温泉1つめ
かやの家の温泉は2種類あり。どちらも共に榧(かや)の木造りのお風呂で、それぞれに露天風呂もあります。夜の10時に男女入れ替え。
温泉に続く廊下には温泉分析書が掲載してあり、ナトリウムイオン、ふっ化イオンなどの成分表が細かく記載され、判定として「アルカリ性単純硫黄冷鉱泉に該当すると推定」と書かれています。

1つ目のお風呂の脱衣所。

洗面台。

榧の木造りのお風呂が2つ。奥の窓側はぬるめの温度、左側の小さいエリアは熱めにしてあります。

洗い場は3つあります。

露天風呂は綺麗な8角形。周囲は山に囲まれているのでセミやひぐらし、鳥たちの声が聞こえてきます。

夜の露天風呂。日本秘湯を守る会の提灯が灯ります。
辺りは真っ暗で、聞こえてくるのは風に揺れる葉音と虫たちの鳴き声のみ。
小さな温泉2つめ

こちらも榧の木造りのお風呂が2つ。大きいエリアはぬるめの温度、小さいエリアは熱め。
洗い場は3つ。

露天風呂に続く通路。

こちらが露天風呂。1つ目のお風呂よりも大きい印象。
木材で作られた傘のような屋根、小さな日本庭園もあります。
どちらのお風呂も小さいながらとても綺麗。
夕食
夕食は、秩父の旬の素材を生かした山里料理をコースで楽しめます。
1Fの「かりん」の部屋だと、そのまま部屋での食事になります。

前菜。
甘長唐辛子人参ソース、豚角煮、茗荷甘酢漬、行者にんにく、わらび煮浸し。

山菜おこわ。米の粒がとても小さいところがユニーク。

冷製そばがき、刺身こんにゃく
刺身こんにゃくの透き通った色が涼しげ。プリプリの食感も楽しい仕上がり。

鶏真丈みぞれ椀。

鮎塩焼き。
大きくて立派な鮎。8月初旬ですが卵も少し蓄えていました。

夏野菜の冷やし鉢。
肉厚な野菜がたっぷり。彩りもとても綺麗です。

トマトのコンポート。

ローストビーフ和風ソース。

山里の天ぷら。

舞茸卵雑炊。塩分控えめでとても繊細な味付け。

香の物。

ほうじ茶のアイス、メロン、オレンジ。
朝食

朝食。
鮭の塩焼きをメインに、湯豆腐、各種小鉢がズラリ。
ご飯はおひつにもたっぷり入っていて、おかわりもしっかりできます。
廊下に掛けてあるメッセージ
かやの家は日本秘湯を守る会会員の温泉宿。星野リゾートが手掛けているようなハイセンスで、何から何まで充実しているような施設ではありません。それでも歴史ある建物をしっかり手入れして、宿泊客が最大限快適に過ごせるようにしている努力を随所に感じます。
廊下には2つのメッセージが掛けられていました。この内容にグッとくる人は日本秘湯を守る会会員の温泉宿を楽しめるでしょう。

以下、全文引用
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「秘湯をさがして」
岩木一二三
田舎を捨てた人間だけに人一倍田舎を恋しがる東京人の一人である。幼い頃に、いろりのそばで母のぞうり作りを見、縄をなう父に育てられたからかも知れない。しかし、そのふるさとの家も跡かたもなく近代化され、牛小屋はコンクリート建ての車庫に変ってしまった。おいやめいが各々の車を持って走り回っているほどの経済発展の変化である。
いったい、老いゆく自分達がどこに安住の地を求め、どこに心の支えをおいたらいいのだろうかと迷いながらさまよい歩いて三十年の歳月が流れていった。
旅行会社に席を置くために、つい旅に出たり、旅と結びつけてしまうが、もうホテルもきらきらした旅館もたくさんだ、炭焼き小屋にでも泊めてもらって、キコリのおじさんとにぎりめしでもほうばってみたいと思うこともしばしば。
馬鹿らしくて夜行列車なんか乗れませんよ。ジェット機が早くて楽でー。といったかと思うと、やっぱり連絡船はよかったなぁー人間の哀秋を知っていた乗物だ。自分たちが必死で求めてきた近代文明に何か欠けていることがようやく解ってきた昨今の日本の姿であろうか。
それはたしか昭和四十四、五年頃だったと思う。せめて自分だけでもいい。どんな山の中でもいい、静かになれるところで自分に人間を問いつめてみたいと思って杖をひいたのが奥鬼怒の渓国の温泉宿だった。ランプの明りを頼りにいろり端で主人と語りあかしたあの日が今でも忘れられない。目あきが目の見えない人に道を教えられたような思い出がよみがえってくる。公害のない蓮華温泉の星空はきれいだった。人間と宇宙がこれ以上近づいてはならない限界のようにさえ思われたのである。細々と山小屋を守る老夫婦の姿には頭が下がった。人間としてのせいいっぱいのがんばりと生き甲斐が山の宿に光っていた。
ひとびとの旅は永遠に続いてゆく。それぞれ目的の異なる旅かも知れないが…。いづれの日か山の自然と出で湯は、ほのぼのとした人間らしさをよみがえらせてくれることだろう。秘湯で歴史を守ろうとじっとたえてきた人々の心の尊さがわかって頂ける時代が帰って来たのである。秘湯を守る皆さんや、秘湯を訪ねられるお客さん方に、私たちが近代社会の中で失いかけていたものは…という問を投げかけてみたい。これからの日本に大切なことは何か。それは、人間が共に考えながら、助け合いながら、築き上げ、守りぬく、ぬくもりのある人生の旅ではありますまいか。
元日本秘湯を守る会 名誉会長

以下、全文引用
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「山のいで湯守って」
ずいぶん山の中で不便な思いもしました。冬は交通がと絶えたり食糧の確保すら難しい時代が長く続きました。いっそのこと山をおりてどこかで観光旅館でもと考えたこともしばしばでした。
しかし、長年にわたってお訪ね下さるご常連のお客さまや、先祖が守ってきた温泉のことを思うと去ることも新築することにも頭をかかえました。「残してくれ」「古くさい建て直せ」そんなお客さんの声を自問自答しながら生きて参りました。
私どもの宿では、草一本、石ころひとつにも皆さんとの血が通っているように思われてなりません。古いものや自然環境を残そうと、今日まで云うに云えない苦労も致しました。
おかげさまで、昨今はそれだから来たんだよとおっしゃるお客さまが多くなり、古さを守るという生甲斐すら覚えるようになりました。有難いことだと思っています。山合いの古いボロ屋ですが、昔ながらの木の湯にひたり、「宿の夫婦が摘んだ山菜の味でよい、ゆばたでおやじ語ろうよ」と、おっしゃる皆さんのためにいつ迄も生き続けたいと念願しております。
雪どけの道をお帰りになったあのお客さん、無事に国道まで出られたかしら……、そんなことを気にしながら今宵もまた訪ねて下さった都会の方々に山の暮しのおしゃべりを続けて参ります。
日本秘湯を守る会
会員旅館一同
ADDRESS
埼玉県秩父市荒川小野原1009-1
1009-1 Arakawaonobara, Chichibushi, Saitama
TEL (-)
0494-54-1192
+81-494-54-1192
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発信者:高橋賢司
Webディレクター/吉祥寺 Kichijoji GO!運営
吉祥寺在住。吉祥寺の飲食店情報を中心に発信。ときどき西荻、三鷹、中央線、全国の美味い店
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